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2030年に向けたSDGsをはじめ、現在、あらゆる人を受容するインクルーシブな社会の構築、社会のデザインが極めて重要となっています。これらの複雑な課題に対しては、客観的に導かれる最適解だけで対処することは不可能であり、人と自然と科学技術の在り方を包括的な視座から捉え直し、取り組んでいくことが必要となります。本研究部門では、世界を先導する企業、東大先端研の研究者、およびアートデザイン領域の第一線のプロフェッショナルが分野横断的な研究グループを組織し、多様な視点から生み出されるアイデアをスピーディに社会実装していくとともに、これらの複雑化する社会の諸問題にバランスよく立ち向かえる未来の人材育成を目指します。

人間中心の個の解、「差」を求める西欧思想をベースとした科学技術の発展は、同時に私たちの住む社会環境や自然環境において、様々な精神的・身体的なストレスや、環境破壊などの歪みをもたらしています。令和の時代が開けた今日、森羅万象を大切に考える東洋思想、とくに日本が培ってきた自然と共生する生き方、すべてを包括的に捉える「和」の視点に基づく科学技術の発展が求められます。今日の諸問題に対し、「Nature-Centered(自然主義)」の概念を新たに掲げ、様々な研究領域の考え方を統合した「和」のクリエイティビティを発揮することで、自然と社会のバランスよい問題解決をしていくことが重要です。

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東京大学先端科学技術研究センターは、工学、理学、情報学、医学、社会科学、バリアフリーなど40以上の異分野の研究室が融合する、学際的研究拠点です。東京大学の研究特区として、その学際性を生かし、持続的でインクルーシブな社会構築を目的に研究が展開しています。

先端アートデザイン分野では、先端科学技術研究センターのあらゆる分野との連携を図りながら、多様な人材が経験と知識を共有し、お互いに気づきを与え合い、種々のプロジェクトを展開してまいります。

 
 

シンボルについて

古代ギリシアの著名な研究者たちが集った多種多様な知の融合を象徴する「アテナイの学堂」と、仏教の世界において大切な意味を秘めている和を示す「丸窓・円」、Nature-Centered の「N」とInclusiveの「I」を組み合わせ、「和」をもって持続的なインクルーシブ社会を創造することを表現しました。

DESIGN : Shinobu Ito


RCAST STUDIO

風洞施設のある1号館109号室を改装してできた、先端アートデザイン分野の創造的活動の場です。先端研全体で共有し、アーティストのアトリエのように利用者同士でアイデアを交換し、手を動かしながら、新しいものを生み出す場であります。


RCAST学堂(Scuola di RCAST)

当分野の伊藤節特任教授と伊藤志信特任准教授のプロデュースによる学問と交流の場です。両教授がイタリアでデザインしたスカルプチュアルな家具や、グランドピアノ、モニターなどが設置され、多種多様の知の融合を表したデザイン感溢れる空間になっています。