私たちは、科学や技術から多くの恩恵を受け、今の社会を築き上げてきました。一方で、自然に大きな負荷をかけた結果、気温上昇による異常気象、資源の枯渇、さらにはエネルギーの問題をはじめとする地球規模の課題を生み出しました。

この原因の一つは、私たちの自然に対する考え方によるもので、人が自然を制御するという、人を中心 (Human-centered) として自然を捉えてきた点にあると思います。一方で、人も自然の一部であり、自然と共に生き、そして生かされているという考え (Nature-centered) も私たちの心の奥底にはあるのでないでしょうか。

多様な人々、そして多様化する社会においては、最適な1つの答えを出すだけではなく、場に応じた多様な答えを出していくことが求められています。弘法大師空海は、世の中には無駄なものはなく、あらゆるものに価値や意義があり、それぞれの関係において宇宙がなりたつことを教えてくれます。そして、その思想が1200年にわたり持続的に受け継がれてきた場が高野山です。

科学、芸術、デザイン、哲学、そして宗教など多様な分野に関わる人々が集い対話し、人間性と倫理観ある未来、1200年後の世界を考え、形にする舞台として、高野山はすばらしい場です。未来の形を高野山の皆さんと共に先端研は「高野山会議」として世界に発信していきます。

先端科学技術研究センター所長

神崎亮平

開会式

セッション1 - 人間と宗教とテクノロジー

セッション3 - 次世代育成:科学技術からアートへ

閉会式

オープニング講話

セッション2 - 4分33秒と『円融無碍』

セッション4 - 空海から現代:高野山という名のトポス